2015-01-01から1年間の記事一覧

不自然

僕は仮面乱交パーティーへ参加したことがある。 そのパーティーは、みな服をしっかり着ながら乱交に及ぶんだ。 女はスカートの下は何も履かず、男はズボンのチャックを下すだけで事をこなす。 顔もわからなければどのような体をしているかもわかりづらい。 …

亡者

お酒ってのはいいね。嫌なことを平気でできちゃう。シリアルキラーと呼ばれた人だって死体の解体には酒がないときつかった人がいたそうだよ。お酒があればなんだってできる。ずっと好きだった人に告白もできる。ずっと嫌いだった人を殺すこともできる。唾を…

masquer

愛しい人ができたの。恋人のあなたには少し言いづらいことだけれど、彼は愛する奥さんと子供のいる人で、43歳の役所勤めの平凡でフランス文学と音楽をこよなく愛する素敵な、とても魅力あふれる人なのよ。親子ほど年が離れてるって?彼はわたしの父親にど…

glass case

私は知らない土地の知らない大きなホテルの中に宿泊している客のひとりだった。 長い廊下の突き当りの壁には天井まであるガラスケースの棚に何体ものフィギュアやプラモと言われるものなのかいろいろなキャラクターを模した小さな作り物がそのガラス内空間に…

おうなの蚕

浅野忠信演じる若い男はカウボーイ風のウェスタンな格好で大きな古い屋敷の暗いブラウン系の部屋の中でテーブルの上に乱雑に置かれた様々な物の間に座っている化粧をした美しい老女と向かい合って立つている。 男は老女を愛している。今、老女の夫は長く日の…

Kikkai dream

ひとつめ。 「こず恵、結婚しよう」とお父さんが言った。 待っていた言葉だった。さほど驚かず。 そう言ってくれる日が来ることを、信じていたし、来るのはもうわかっていた。 私は嬉しい気持ちを必死に押し隠して平静を装ってお父さんを見上げた。 ふたつめ…

SILENT FILMS

田んぼと田んぼの間の道を通り抜けて田んぼの中に足を入れた。 お父さんに持っていかなくちゃならない小さい田んぼを手に持って。 その田んぼを田んぼの中に入れて、田んぼの泥濘は甚だしく、ほんま気持悪かったわ。 足を膝上までずぶらせとったからなあ、だ…

暗黒の愛

鏡の向こうに、誰がいるんだ。 鏡の向こうに、君はいるの? 鏡の向こうに手を伸ばした。その手は切断され床に転がった。 ボテッ。その切断面から魔物が出てきて僕に言った。 「マッシュルーム、腐らんうちにはよ食べや」 僕は魔物を壊した。 よく見たらゴキ…

蟋蟀の海

すべての苦しみが全部俺の責任だとゆう気がするのは気の成果。やっぱ気の成果。俺の行うもろもろすべてが愚かな行為だとゆう気がするのは気の成果。やはり気の成果。俺はすべてを辱めているような気がするとゆう気がするのは気の成果。やぱり気の成果。ゆう…

ちいさな湖

恋心が戻る。そんなことが、ある。さみしいよ。苦しみと喜びの交じり合った言葉を何故人は作らなかったのだろう。俺はもうずっと苦しみか喜びか分け隔てられない感情と感覚に心が震えている。喜びとも呼べるその感覚に打ちひしがれている。人間の想いは、言…

スカトロジィな君へ

僕は君を愛している。 毎日「スカトロジィ」検索をする君を。 君の美しい空が、スカトロジィで埋め尽くされたその空を。 僕は受け入れたいと思うんだ。 君の悲しみの秘密がそこにあると知っている。気がする。僕は。 何故かは解らないよ。そんな気がする。 …

闇の光

あなたを私は待ち続ける。 ミイラになっても。死体になっても。腐り果てても。骨になっても。土になっても。風になっても。海になっても。死んでしまっても。消え果てても。 あなたを私はおぼえている。 あなたが私を忘れ去っても。あなたがミイラになっても…

ベンジャミンと先生 「ベンジャミンの補習」

先生は次の次の日、ベンジャミンのために、放課後に残して補習授業を行うことにした。 先生はベンジャミンに「言いたいことを言いなさい」と言った。 ベンジャミンは先生に向かって言った。 「先生、ぼくはほんとうは自分がすべてを諦めている人間なのだと感…

ベンジャミンと先生

先生がドアを開けた。各々は自分の席に着く。先生が生徒達に向けて言い放った。 「はい、立て」 「はい、礼」 「はい、座れ」 「では今日の1限目の授業を始める。今日から新しい本だ、昨日渡した本、スウェーデンボルグの霊界日記だ、もう読み終った人間もお…

ナイジャ

鬼のキスは黒い、どうゆう黒さかとゆうと人間がちくわぶに見えるくらいの黒さだとゆう、かなりの黒さやろ、俺は待ってんだ、おまえのキス待ってんだ、どうゆうキスかとゆうと金玉が三つに見えるくらいのキスだとゆう、意味わからんやろ、これはもう人間が理…

カラフルな死

金に目が眩む、愛に目が眩む、光に目が眩む、闇に目が眩む、死に目が眩む、罪に目が眩む、性に目が眩む、君を殺してしまおう光の中で、サヨナラの中で再会しよう、俺の中で死を産み出そう、まだどこにもない死を夢むことを夢見たい、死に色をつけよう、カラ…

オニキスの矢

ゆうたらもう死霊やからなあ、あいつも。死んでるうちが華とはよく言うもので結婚詐欺師、そいつの姪の娘、今晩来るらしい。死霊は携帯持ってないよ、だからなかなか連絡つかん。おむすび、三つ四つ作っといて。イニシアチブのようなやつ、三つ四つでいい。…

世界一キレイなもの

今日は先生に愚痴ったった。泣き言や、あれ泣き言。涙交じりで。戦進化の先生に向かって、って精神科。精神科の先生に向かって。「馬鹿にしてるんですか」っつって。涙浮かべて自分は「廃人じゃないですか」っつって。先生に向かって俺は何をゆうとんねん。…

ラハディーマとヒヒの子

豹が親ヒヒを襲い、その後子ヒヒに気づいた後に取った行動とは‥ - YouTube ・ラハディーマ(このメスのヒョウの名前)はヒヒの子を前に、何をすればいいのかわからず、ただ横に寝そべった ・ハイエナが獲物を狙ってやってきたが、彼女は仕留めた獲物を動かす…

モンシロチョウ

初めて蝶を羽化させることに成功した。 昔に何度かアオムシを育てたことがあったがどれも寄生蜂にやられて羽化する前に死んでしまった。 野菜についてる蝶の幼虫はいつもモンシロチョウのアオムシで、だいたいは蛾の幼虫がほとんどなのでアオムシを育てるこ…

三つの奇妙な夢

奇妙な夢を今日、三本見た。 二つは夜に、一つはうたた寝をして見たさっきの夢。 一つ目の夢はこんな夢だった。 あんまりよく覚えてないが、大きな船が海面に浮かんでいるようなところの近くを姉と兄の車、私の乗る車(かなにかの乗り物)に分かれてどこか同…

2015/4/30

実家で兄が飼っている一番古い猫が昨日死んだと姉から連絡が今朝あった。 11歳と2ヶ月、家猫の平均寿命が15歳ほどと言うから、早いほうだ。 父が死んだ次の年2004年に兄が突然買ってきたときはまだ本当に小さい猫だった。 骨がやけに細いというのか、抱き上…

2015/4/29

もうすぐ雷様が僕の熱い胸を打ち砕く!死ぬぞ!そんなことやってたら!強姦魔に襲われて死ぬぞ!椅子から落ちて踵を砕いて俺に平伏せ!雷様は僕に向かって怒鳴った。意味のない戯言ばかり、誰も彼も。意味のない戯言ばかり。お前も俺もオニオンリングみたい…

2015/4/28

もう俺は怒った。俺は本格的に怒ったぞ。けしからん。まことにもってけしらかん。けしらかんってなんやねん。俺はとにかく怒る。怒るためだけに生まれてきたのだから。もう怒るしかない。もう完全にぶっちぎっれった。もう俺がこの手でカムチャッカだ。貴様…

2015/4/27

過酷な生涯を生きた人、過酷な死に方で死んだ人、そんな人たち、そんな生き物たちすべてが犠牲者だと僕は思う。 だから可哀相と思うんじゃなくて、僕もその道を選んで誰かのために犠牲となって死にますと誓う。ほうがいい。 今度は僕が犠牲となりますと犠牲…

2015/4/26

愛されたいなら愛するしかないんだよ。 愛されなくて苦しいから愛してくれと言ってばかりではどうにもならないんだ。 愛憎がゆえ、相手に憎まれ口を叩いていても愛されることはない。 本当に愛があるなら、相手を愛しているなら、自分から「ごめんなさい」と…

2015/4/25

最近笑いが足りない。 やっぱり笑いってのは切羽詰らないと生まれてこないのである。 だから死ぬ間際には一番面白いことを思いついてそれを言って死ぬ可能性も無きにしも非ず。 大阪人なのに笑いがないだなんて人生の屈辱、人生の汚辱、人生の巻き寿司だ。 …

2015/4/24

人間はいったい、どう生きるべきと言うのであろうか。 その“どう生きるべき”というのがわからない以上、「俺は病気です」とも言い難いのである。 実際、俺は欝を病気だとはあまり思っていない。 むしろ、自分の我欲のために頑張って働くことは病気ではないの…

2015/4/23

今日から俺は、欝日記を書くことにした。 なせかとゆうと、欝とゆうのはおかしなもので一ヶ月の間にも波があり、調子のいいときと悪いときは荒れたり静かになったりする波のように自然に変化しているもので、それらは定期的にやってきて、ひとつきの間にどの…