2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧
俺はなんの罪でか忘れてしまったのだが、斬首刑に処されてしまった。俺の転がった首、ころんころんと転がったその醜い首のその切断面を。俺は天界からアップで見た。直視していたんだ。何故か。何故かその俺の首の切断面が異様だったからである。なんか動い…
彼女は彼の膝のうえにちょこんと座り、彼にキスをして微笑んだ。アルバートは幸せな過去を想いだすように恍惚な表情で中空を見つめながら暗い牢屋のなかで呟いた。「わたしはそのとき、想ったのです。わたしは彼女をぜひ食べたいと。」彼は檻のなかから、そ…
今から続きがどこにも見当たらない小説を君だけに読ませるために書こうと思う。 それはまるで失敗作の形を考えている間に完成してしまったような作品だった。 昔は誰かが語っていた。その昔というのも自分の未来で、何の接点もない誰かが語っている。 今まで…
Ѧ(ユス、ぼく)は目が覚めて、ベッドの中でСноw Wхите(スノーホワイト)を見送ったときのことを想いだしていた。 「いってきます」 「いってらっしゃい」 Ѧは毎朝、そうやってお父さんが仕事に行くときに見送っていた。 お父さんはマンションの階段の踊り…