半月の戯れ

半月の戯れを閉じ込めて
光のドアを硬く閉める
薄明りの階段を上って、投げ入れる
空中の湯のなかに、半月のタブレット
花の匂いと共に時が現れる
彼女は、小さな胸のなかで
レースカーテンで隔たれる
連れ去るように生れ落ちる
半月は泡と香りと湯気となり
この階だけが、花に包まれる
少女を追って、男を見出すのは
溶けた半月、宮殿のなかの
光の戯れ