2019-02-20 半月の戯れ 半月の戯れを閉じ込めて光のドアを硬く閉める薄明りの階段を上って、投げ入れる空中の湯のなかに、半月のタブレット花の匂いと共に時が現れる彼女は、小さな胸のなかでレースカーテンで隔たれる連れ去るように生れ落ちる半月は泡と香りと湯気となりこの階だけが、花に包まれる少女を追って、男を見出すのは溶けた半月、宮殿のなかの光の戯れ